もうおしまいにするつもりだったけれど

紅葉に見とれる女性

 

熱いのだか、冷たいのだかもわからなくなってしまった。

わたしでない誰か別の人間の肌に触れたなら、わたしは自分の体温を感じることができるのだろうけれど、いつだったろう……最後にそれを感じたのは。

 

なにかがあると思ったわけじゃあない。

高いところにいる、どなたかが、わたしのあごをクイッと持ち上げて、空を見せてくれた。

「ごらん」って。

四方の乾いた無数の枝が束になって、空を縁取っている。

天に吊るされた純白の絵画の中から、白くて冷たい水の粒がふってきた。

青白く、くすんだわたしの頬にそれが落ちて広がり、じわじわと燃えている。

あったかい。とても。とても冷えて熱い。

 

「もうすこし。わたしもうすこしだけ。がんばれるかな」

 

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