どうでもいいあなたの声が聞こえたようで

買い物帰りに

 

どうでもいい人だった。

私の人生には、なんの影響も与えることができない人。

そうだったはずだけど…飼い猫のように、いつも一緒に暮らしていたからだろう。最後にお別れをしてから、いつしか、ふと、意識の切れ目に、彼の姿を探すようになった。

今どこで何をしているのかと、たびたび気にした。

 

たったいま、毎日欠かさず通うスーパーで、はじめて彼の声を聞いた。

彼はそこに…この世界にはもういないけれど、わたしはたしかに彼の声を聞いたんだ。

あのひとは私の前からいなくなってはじめて、私の人生に影響することができた。

それを彼に伝える方法はもうなくて、ほんの少し、胸の奥が冷たくなった。

 

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